2026年度(令和8年度)の児童手当は、所得制限なしで、3歳未満は月15,000円、3歳から高校生年代までは月10,000円。第3子以降はどの年齢でも月30,000円です。2024年10月分からの拡充内容がそのまま続いており、こども家庭庁の令和8年度予算案の概要(事業別の資料集)でも支給額・「所得制限なし」・偶数月年6回払いが同じ内容で示されています。金額そのものは2026年度に変わっていません。
一方で、迷う人が多いのは「うちの子は高校生年代に入るのか」「第3子として3万円になるのか」「いつまでに申請すれば間に合うのか」という3点です。この記事はその3点を、こども家庭庁のページに書かれている定義どおりに整理します(本記事は2026年8月時点の情報です)。
2026年度の月額:年齢と出生順の2軸だけで決まる
こども家庭庁の児童手当制度のご案内に掲載されている支給額は次のとおりです。
| 児童の年齢 | 第1子・第2子(一人あたり月額) | 第3子以降(一人あたり月額) |
|---|---|---|
| 3歳未満 | 15,000円 | 30,000円 |
| 3歳以上 高校生年代まで | 10,000円 | 30,000円 |
年齢の区切りは、令和8年度予算案の資料でより細かく書かれています。3歳未満は「出生日の属する月の翌月から3歳の誕生日の属する月まで」、3歳~高校生年代は「3歳の誕生日の属する月の翌月から18歳到達後の最初の年度末まで」です。誕生日を境に、翌月から1万円に切り替わるという理解でよいことになります。
具体例で見ると、中学生・小学生・2歳の3人を養育している世帯なら、中学生10,000円+小学生10,000円+2歳(第3子)30,000円で月50,000円、年間60万円です。世帯の年収は金額に影響しません。
所得制限は「撤廃」されている
旧制度では所得制限限度額を超えると月5,000円の特例給付、さらに所得上限限度額を超えると支給なしという扱いがありました。2024年10月分からの改正でこの仕組みはなくなり、政府広報オンラインの児童手当が大幅拡充!でも、所得にかかわらず全額支給になる旨が拡充ポイントの1つ目として説明されています。令和8年度予算案の資料でも所得制限の欄は「所得制限なし」です。
ただし注意点があります。かつて所得上限超過で手当も特例給付も受け取っていなかった世帯は、自動的に支給が始まるわけではなく申請が必要な人として扱われました。心当たりがあり、いまも振込がない場合は、後述のとおり今からでも市区町村に申請してください。
「高校生年代まで」の線は誕生日ではなく年度末で引かれる
支給対象は「0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子」を養育している方です。つまり18歳の誕生日で止まるのではなく、その後の最初の3月31日まで続きます。高校3年生の3月まで受け取れる、というのが実感に近い言い方です。
高校に通っていない18歳未満の子(就職している、通信制、進学していないなど)も、この年齢の定義で判断されます。「高校生年代」という呼び方は年齢の範囲を指す言葉で、在学の有無を問う言葉ではありません。
なお、原則として児童が日本国内に住んでいる場合に支給されます。留学のために海外に住んでいる場合は、国内に3年を超えて住所を有していたこと、教育目的で父母と同居していないこと、国内に住所を有しなくなった日から3年以内であることなどの要件を満たせば例外的に対象になります(児童手当Q&A Q9)。
月3万円になる「第3子以降」は、22歳年度末までの兄姉を数えて決まる
ここが2024年10月改正でいちばん複雑になった部分です。第3子以降とは、「児童」と「児童の兄姉等」を合わせて、年齢が上の子から数えて3人目以降のことです。
そして「児童の兄姉等」とは、18歳に達する日以後の最初の3月31日を過ぎてから、22歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にあって、親等に経済的負担のある子を指します。こども家庭庁の「第3子以降」のカウント方法について(PDF)では、カウント対象の年齢が18歳年度末から22歳年度末まで延長されたこと、そして子どもが3人以上いれば必ず第3子以降としてカウントされるわけではないことが明記されています。大学生に限らず、就職していても経済的負担があるかどうかで判断される点も同資料に示されています。
数え方の例:20歳・高校生・中学生の3人きょうだい
20歳の子について親が監護に相当する世話をし、生計費を負担しているなら、その子は「兄姉等」として1人目にカウントされます。すると高校生が2人目、中学生が3人目です。手当が出るのは18歳年度末までの2人なので、高校生10,000円+中学生30,000円=月40,000円になります。20歳の子自身に手当は出ませんが、下の子の金額を押し上げる役割を果たします。
一番上が22歳年度末を過ぎると、下の子の順位が繰り上がる
カウント対象は22歳到達後の最初の3月31日までという定義なので、その日を過ぎると一番上の子は数から外れます。上の例なら、20歳の子が22歳年度末を過ぎた後は高校生が1人目、中学生が2人目となり、第3子加算の3万円は続きません。金額が下がるタイミングがあらかじめ決まっているということです。家計の見通しを立てるときは、この「加算が切れる年度」を意識しておくと差額に驚かずに済みます。
兄姉等を数に入れるには「確認書」が必要
兄姉等をカウントしてもらうには申請が要ります。児童手当制度のご案内では、兄姉等について監護に相当する世話等をし生計費を負担している方の添付書類として、「監護相当・生計費の負担についての確認書」が挙げられています。19歳〜22歳年度末の子がいて、下の子の手当が1万円のままになっている世帯は、この確認書を出していない可能性があります。まず振込額を確認してみてください。
期限は原則「15日以内」──出生・転入・退職の3パターン
児童手当は、市区町村の認定を受ければ原則として申請した月の翌月分から支給されます。ただし異動日が月末に近い場合の救済があり、申請が翌月になっても異動日の翌日から15日以内であれば申請月分から支給されます。児童手当Q&Aでは、起算日の異なる3つの場面が示されています。
- 出生:出生日の次の日から数えて15日以内に、住んでいる市区町村へ。初めて受け取る場合は「認定請求書」、すでに受け取っていて増額になる場合は「額改定認定請求書」です(Q2)。
- 転入:転出届で届け出た「転出予定日」の次の日から数えて15日以内に、転入先の市区町村へ(Q6)。
- 退職などで公務員でなくなったとき:その次の日から数えて15日以内に、住んでいる市区町村へ(Q13)。
いずれについても、遅れると原則として遅れた月分の手当は受けられません。1か月遅れれば1万円、第3子なら3万円が戻ってこないという性質の期限です。
里帰り出産で母親が一時的に住所地を離れている場合も、出生届とは別に、住民票のある市区町村で15日以内に手続きが必要です(Q3)。同Q&Aでは、子育てワンストップサービスに対応している市区町村ならマイナンバーカードでオンライン申請ができるとも案内されています。公務員の方は、市区町村ではなく勤務先(所属庁)が窓口です。
2024年10月分にさかのぼれる猶予は、すでに終わっている
改正時、高校生年代の子を養育している方、所得上限超過で受給していなかった方、兄姉等をカウントする方などには申請猶予期間が設けられていました。もっと子育て応援!児童手当に記載のとおり、令和7年(2025年)3月31日までに申請すれば令和6年(2024年)10月分から支給される、という取り扱いです。この日は過ぎています。
したがって、まだ申請していない方が2026年度に申請する場合、原則は申請した月の翌月分からです。過去分が全額戻る保証はありません。ただし「もらえないから諦める」のは最悪の選択で、今申請すれば翌月分以降は受け取れます。さかのぼれる余地があるかどうかは事情によって扱いが変わり得るため、事情を添えて市区町村(公務員は勤務先)に相談してください。
受け取り方:偶数月の年6回、前月までの2か月分
支給は毎年2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月で、それぞれ前月分まで(2か月分)です。たとえば6月の支給日には4月分・5月分が振り込まれます。月内の具体的な振込日は市区町村ごとに定められているため、お住まいの自治体のお知らせでご確認ください。
また、保育料は市区町村の判断により、学校給食費などは受給者の申し出により、手当から差し引いて(徴収して)支給することが可能とされています。徴収を実施するかどうかは市区町村ごとに異なり、対象費用や申し出方法も各市区町村が決めます。振込額が想定と違うときは、この徴収が理由の場合があります。
2年目以降の落とし穴:現況届と「住所・氏名が変わったとき」の届出
現況届は令和4年6月分以降、原則として提出不要になりました。ただし提出が必要な方が残されており、児童手当制度のご案内では、住民基本台帳上で住所を把握できない法人である未成年後見人、離婚協議中で配偶者と別居している方、配偶者からの暴力等により住民票と異なる市区町村で受給している方、支給要件児童の戸籍がない方、施設等受給者、その他市区町村から案内があった方が挙げられています。市区町村の判断で全員に提出を求めることも可能とされているため、届いた書類は「不要になったはず」と決めつけずに開けてください。提出がないと6月分以降の手当が止まります。
このほか、養育する児童がいなくなったとき、受給者・配偶者・児童・兄姉等の住所や氏名が変わったとき、配偶者を有するに至った/いなくなったとき、加入する年金が変わったとき(公務員になったときを含む)は、市区町村への届出が必要です。大学生の兄姉が転居して住所が変わった場合も届出の対象で、ここは見落としやすいところです。
あわせて確認:児童手当とは別枠の2万円があった
2025年度の総合経済対策に基づく物価高対応子育て応援手当は、対象児童1人につき2万円(1回限り)で、児童手当とは別に支給されるものです。こども家庭庁のコールセンターは令和8年(2026年)7月31日で運営を終了しており、申請の受付期限も自治体ごとに設定されていました。受け取った記憶がない場合は、まだ間に合う余地があるかを含めてお住まいの市区町村にお問い合わせください(対応は自治体により異なります)。
次にすること:振込額を1回だけ確認する
まず通帳やアプリで、直近の偶数月の振込額を確認してください。そのうえで、
- 高校生年代の子がいるのに額が増えていない → 市区町村(公務員は勤務先)へ認定請求書または額改定認定請求書を提出
- 19歳〜22歳年度末の子を扶養しているのに下の子が3万円になっていない → 「監護相当・生計費の負担についての確認書」の提出を相談
- 以前、所得が高くて対象外だった → 所得制限は撤廃されているので、まず申請
- 出産・転入・退職の予定がある → 起算日の翌日から15日以内に申請できるよう、先に必要書類を確認
持ち物は、請求者名義の口座番号がわかるもの、健康保険証利用登録がされたマイナンバーカードまたは健康保険の資格証明書・年金加入証明書の写しなど(会社員などの場合)、そして当年または前年1月1日に今の市区町村に住民票がなかった方は前住所地が発行する児童手当用所得証明書です。これ以外に必要な書類が出ることもあるため、窓口の子育て支援担当課(自治体によりこども家庭課・子育て支援課など名称が異なります)に電話で持ち物を確認してから出向くのが、いちばん確実です。